真夜中の秘密十の詩 ten poems of secret in the midnight


さあ 灯りをともして。


町中で子供たちがはしゃいでいる。
色とりどりの飴玉に、
鮮やかな衣装たち。
僕の前を通り抜けて、輝く道を駆けていく。

僕の姿は君たちには見えないけれど、
君たちは僕を追い越していくけど、
僕は君たちを見ていた。

君たちを見守る視線をたどって、
大きくなったね、僕が笑う。
僕もいつかは君たちのように、笑いながら駆けていた。
もう遠い昔のこと。

だから ねえ、
今日だけは 今宵一夜は、
僕の姿が見えますように。
どうかこの手に飴をくれますように。
君たちに交ざって駆けていくから。



さあ、灯りをともして



お菓子か悪戯(トリック・オア・トリート!)




罪の果実を食べておしまい
罰はワタシが背負うから
享楽に身を委ねなさいよ
怖くはないわ 大丈夫

生きてる間は楽しんで
死んだら貴方はワタシのモノ
ココでワタシと一緒に棲むの
6が付く日はお祭りよ

悪魔との契約 貴方にこの身を捧げるわ
契約の代償?欲しいのは貴方





「悪魔街6-6-6」




歌って
そのかぐわしい声で

決して朝など来ないように
この夜が終わらないように

秘め事は
夜の闇に隠して

星空のカーテンの隙間から
聞こえるあなたの声だけが美しい

さぁ 歌って
僕の愛しい女王様


[夜の女王のアリア]




草原に埋めたタイムカプセル
それぞれの宝物を埋めて
十年後に掘り出そうねと
約束したあの日

約束の地にはコンクリートが流され
灰色の荒野に変わり
約束を交えた君も
僕の知らない地へいって

あの思い出を掘り返せば
あの日は戻ってくるだろうか
十年前の約束を
守るために
取り戻す為に



「荒野にねむるもの」





「あなたの愛を得られぬなら」


正しさは死んでしまった
魂はついえてしまった


さあ はじめようか


神すら目をそらす絶望の果てに
折れた翼を捧げて
餓えた心臓を抉って

すべてはこの一瞬のために



「せめて消えない傷を」



【堕天使の祭儀】



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