妖艶怪奇な壱拾の詩 ten poems of mystic and fantastic things


赤く燃えるような
一面に咲く花を散らして

あなたがくれた
慰めなど欲しくはない

[雛罌粟]




髑髏の眼窩に生まれし蕾
月夜の下で咲き狂う


骨よりも白い花弁が
氷輪の下狂い散る




「花と骸」




太陽の光に透ける
弱々しい君の翅

人は儚いと謳うけれど

折れそうになりながらも
羽ばたこうとする
君の強さが


[蜉蝣]




枯れてしまった紫陽花
アナタと一緒に埋めました
朽ち果てていたアナタ
紫陽花通りに埋めました



翌年咲いたアカイ花
アナタ色に染まってる。



「紫陽花」





鮮やかに


色彩(いろ)を変える


静かに


人知れず真白の花が


まるでそれは



君の心



[クロトン]



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