妖艶怪奇な壱拾の詩 ten poems of mystic and fantastic things


四方に流れる黄泉の水
其れは酸いのか甘いのか。
微かに聞こえるせせらぎは
水の流れか死の脈か。
「四辻」
袋小路に迷い込む
一匹の蝶
夢幻の影が音もなく旗を揺らし
風切羽を失くした鳥が
水の上でもがいている
見えない壁に阻まれて
往く道は一つ
迷い込んだ
抜け出す術も知らないまま
鮮やかな蝶の羽が
足跡を彩る
袋小路に迷い込んだ
七色の風が果てる
見上げる目に空が映って
僕たちは
往く道を知る
[袋小路デイドリーム]
鋭く尖った針の上
針の上で 天使が踊る
嬉しそうに 楽しげに
五人の天使が踊ってる
熱く熱く 燃えるように
笑え笑え 全てを忘れ
手と手をとって 天使が回る
私はその輪に入れない 。
鋭く尖った針の上
針の上で 天使が踊る。
「針の上で天使が踊る」
ぽたり ぽたり
涙が落ちる
光の裏に闇があるように
ぽたり
灯の下に涙はつたう
ぽたり ぽたり
地にしみ込まずに消えたの は
ただの蝋か
あなたの涙か
[蝋涙]
眠れ 眠れ
今宵の夢は誰の夢か
眠れ 眠れ
次の目覚めは何時の日か
鏡の花 水の月
虚構の中で私は歌う
全てはたゆたう 眠りの狭間
眠れ 眠れ
眠れ 眠れ
純粋の闇に心を預け
偽りの安らぎの中 ただ眠れ
『おやすみなさい』
「睡蓮」