神様のいない間に10の詩 ten poems when the month lost god


さてようこそお越しいただきました
今宵は新月の宴
心ゆくまでお愉しみください
忘れ去られたカタコンペを
薔薇の香りで満たして
揺らめくワインは赤い血の色
骨の逆十字が風に揺れて
愉しみましょう
この背徳の宴
羊の肉を取り囲み
交わすグラスに映る灯
青白い顔を付き合わせ
今宵一幕
踊りあかせば
太陽すらも逃げ出すでしょう
地の底で眠る
永遠の饗宴
愉しみましょう
あなたの魂が果てるまで
美味しく頂いて上げますから
『異端カルナバル』
罰なら受けます
私は罪を犯しました
汚れた愛を喰べて孕んだ
光と闇を罵り捨てた
「被害者は私」そう言い聞かせ
自分騙して逃げ出した
後で知ったことの重さ
「泣けば赦されるとお思いで?」
萎んで消えた小さな光
神様の怒声ですら
乾いた心に届きはしない
私は今日も
四角い空を眺めては
貴方への謝罪を綴ります
そうして毎夜思い出す
あの日 箱に詰め込んだ
貴方の軽さを 貴方のその目を
救済を呼ぶ歌声を…
「コインロッカーに閉じこめた歌声」
人でなしの恋から帽子屋の恋まで
甘いキャンディお売りします
虹色ドロップ
恋の味
ひとつき限りの限定品
月が満ちて欠けるまで
甘い恋を堪能あそばせ
中毒にならぬ程度にお気をつけて
人でなしの恋から帽子屋の恋まで
恋の片道切符に添えて
貴方のもとまでお届けしましょう
時間指定は御座いますか
さて
貴方のご所望は?
世界の最期を
厳かに告げる鐘
時刻は丁度 晩餐時
僕と君との手料理を
黙々と食べる 君と僕
ケチャップライスを黄色い膜で抱き寄せて
煮込んだルウを纏わせば
見た目鮮やかなオムハヤシ
隠し味に別れの涙を
愛という名の毒を一滴「「いただきます」」
君は言いましたね
『貴女が世界に殺されるなんて耐えられない』
僕も言いました
『君を奪えるのは僕だけだよ』
そんな僕らの傲慢すらも似たもの同士と愛しく感じられ
心 通わすことが出来たのです
鳴りやまない週末の響き
極彩色に塗られた世界
そんな中での晩餐は
確かに、美味しかったでしょう
「ごちそうさま」
その声すらも
無事に貴方に届いたかどうか
「最後の晩餐」
喜びさえも地に果てて
最早 何も残らない
夢の終わりはこの世の終わり
悦び一つも得られるならば
最早 何も得られはしない
短絡思考とお笑いください
歓び求めて哀しむならば
最早 何もかもが色を消し
最後に残った抜け殻でも
あなたに何か意味があるなら
どうぞ道化と嘆いてください
私の最初で最後の嘆きをうけて
あなたが涙を生むのなら
それこそが私の悦楽
どうぞ 泣いてください
「享楽主義者が結ぶ縁」