長雨な10の詩 ten poems of long rain


ガラスの靴を投げ捨てて
かぼちゃの馬車は食べちゃった

雨の中一人 ずぶ濡れでひとり
はだしの足でステップ踏むの


『もしもし、お嬢さん。ご機嫌は如何?』


手を差し伸べてくれる貴方
花柄の傘
なんて似合わない


でも ああ


貴方に見つけてもらう為に
私はずっと
ここで踊っていたのよ?


『私と、踊って下さいませんか?』






「もちろん、喜んで。」









(ダンシング・イン・ザ・レイン)





青い空を見上げた
君の笑顔が悲しかったから

君の眠る夜は
きっと今日も雨のままだね

眩しい日射しの降りそそぐ庭で
白無垢の白昼夢を見ている

青い空を見上げた
ああ 僕の頬に落ちたのは


[狐の嫁入り]





頭上から降り注ぐ 黒い雫
焼けた肌に染み込んで
体中が熱くて 痛くて
ずっと 走り回ってて


喉が渇いてからからでした。


両手一杯に溜まった雫
黒く濁ってゆらめいて
それを私は飲み干して
何故か 涙が零れました。




音の無い雨音の中
心が乾いて からからでした。


「音の無い雨」





あかいながぐつ
雨に溶けたの?
水たまりに
広がるあか色

耳鳴りがして
世界は真っ黒

手はもう傘に届かない

あかいながぐつ
雨に溶けても
水たまりに
落ちたあか色

途絶えた悲鳴
去ってく足音

手はもう傘に届かない


[あかいながぐつ]





冷たい雨を一身に受け
散りゆく我が身を恐れずに
凜と佇む君の為に
僕は一人 詩を歌う

散りゆく我が身を恐れずに





咲き誇る君を
讃える歌を


『傘をささない君の為に』




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