美食家の為に10の詩 ten poems for gourmet


虹色を帯びて輝き放つ
苦い雫を舌でお受け
その儚い球体は
天を目指して散り行く運命
終焉を欲しつつ
それでも高みを目指し飛ぶ
悲しき性を持って生まれた
孤高で高貴なその御魂
この苦しみに
終止符を打とう
辛さに線を一本足して
幸せに変える魔法をかけて
別れの代わりに感謝を言う程
私は強く なれないから
「さよなら」ではなく「いただきます」を
最期の晩餐で言えるよう
苦みを甘さに変える為
終わりから始めるこれからの為に
苦い雫を最後に一滴
儚い雫と散らしける
「隠し味に涙一滴」
さあ、君
その箸を取って
君の想いが正しければ
この毒は決して君を蝕まない
銀の箸の冷たい輝きが
君の心を照らすだろう
そしてもしも
僕らの想いが間違っているというのなら
二人で最期の晩餐と気取ろう
さあ、君
どうぞ晩餐を
「銀の箸を用いて」
さあさ始まりましたは素敵喝采グランギニョル
皆様の悲劇惨劇お届けします
共に一緒に笑いませう
今の芝居は明日の我が身
共に皆で哂いませう
幸福の種ばら撒くのがお仕事の慈善家様も
笑顔が売りの議員様も
我が劇団の看板役者
ご要望に従って
何処へ堕ちるも決まる身のゆえ
観劇の後にお茶は如何と
喫茶店は連日繁盛
たっぷりの砂糖を口に運んで
出てくる時には砂糖と脂肪の塊
滑稽無稽な幸福の末路
如何でしたか今日の蜜は
本日のお芝居はこれにて閉幕
誠にありがとう存じました
また是非当劇団にお越し下さい
次に来る時は役者となって
悲劇惨劇の主役となって
皆様のお越しを心から。。。
「君の悪夢は蜜の味」
からめた吐息
舌の上でとろけて
甘く 甘く
まるで愛を歌うアリア
この歌が聞こえて ?
「舌で愛を奏でるオペラ」
神様に祈りを捧げて
ありがとうのキスをして
さよならの別れを告げて
その短刀を握り締めて
本当に、大すきだった
一緒にいられて幸せだった
君と離れたくはなかった
ずっと傍にいたかった
敬意と謝罪と愛を込めて
君に祈りを捧げるから
杯に注ぐ呉藍の美酒
魂の晩餐を
「戴きます」
「さあ、晩餐を始めよう 」