葬列を見た十のお題 ten title when saw the funeral procession



それはモノクロームの
君に贈る
最後の愛の詞

    「こくはく」





蝉が道端に転がる夏の日、彼は逝った
『万歳』
思わず口から零れた一言
蒼穹の底に吸い込まれ

憎しみの黒と白い骨
そんな黒白に彩られ
下唇を噛み 俯く僕
漏れる笑みを必死に隠して
『さよなら』

汚れた骨は壷に詰め
純粋なんて何一つ無い
汚濁の連鎖を炎で砕く
最期の最後に零れた涙
『死んでくれて ありがとう』


憎い程に愛し
愛する思いは憎悪に燃えて
それでも今は
彼の為に笑い、喜び、涙を流そう
全ての穢れの、浄化の為に
地の底に響く 冷灰の声

『それでも、俺は―』





「死んでくれて、ありがとう」





「夏の埋葬 」





黒と白の世界
大人にならない彼と
大人になりきれない僕らと

頬を伝ったのは

儚いね、と君
僕は何も言えず
君の微笑

彼、死んでしまったのに

悲しむことすら
僕らには遠くて
儚いね、と君それだけを


[儚むことしか知らない君へ]


僕は何も言えず





冷たくなった君を焼き
乳白の骨を土に埋め
上から種を蒔きました
君が好きだと言った花

ねえなんで 死んでしまったん?


君の為に用意した
赤い首輪と銀の鈴
フランス菓子の箱に入れ
引き出しの奥に隠す僕


ねえ、なんで 死んでしまったん?



君は愛に生きました
愛されぬことを知らぬまま
君は会いに行きました
報われるものと知りながら



ねえ、なんで、死んでしまったん?




四つの暦が過ぎた後
君の元へと行きました
赤白桃のコスモスが
風に揺られておりました
君が好きだといった花




なんで死んでしまったん?





みけ、なんで死んでしまったん?


「たむける言葉を僕は知らず 」







青く高い夏の空
いなくなった君の名を
誰かが呼んでいる


「哀之極」



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