戦う僕らに10の詩 ten poems for fighters


つらくても、大丈夫です
ずっとがんばってきたんです

ぼくは  ぼくらは

キミのために あなたのために
だからときどき
なにかのひょうしに思い出したとき
そこにぼくらのしあわせがあると
おぼえていてください
わすれないでください

  すてられていくぼくらより


[うるとら・はーど・うぉーかー]





いざ進め 烈風の荒野
目指す地は 遥か遠く
いざ行かん まほろばの地へ
暗闇の先を切り開き

久しく実る子と生まれ
蝶よ花よと生きました
心に宿る炎は熱く
はためく御旗はただ赤く

いざ進め 合戦の地へ
従順の道を打ち砕き
いざ行かん 豊穣の都
泉の水は濃く甘く

夢の跡地を踏み越えて
握る刃に揺れるたまゆら
暗黒を照らす光となりて
ゆくべき先地を煌々と

花よりも尚 花の如く
つわもの共が夢の跡


「切り裂いた闇の向こう側 」





翼が折れたと泣く君の
代わりの翼に僕がなろう

大きくも白くもないけれど
精一杯広げた両翼で
ふりそそぐ悲しみを受け止めよう

「君を護る為、僕は」





ニッコリ笑って 

右手なんか差し出して

紳士面して握手ですかって

思わず毒づいた。

私は淑女の欠片もなく

「握手なんかまっぴらごめんよ!」

なんて、騒いで、

意地悪に左手を出してやる。

自分でも思うわ。「この子なんて可愛くないの。」

ところが紳士は生粋の紳士

私の左手両手で包み込んで

笑顔の明るさ3割り増し

さすがの私もこれにはドキドキ

嘘みたいに心臓が

壊れたメトロノームみたいに騒ぎ出して。

「あ、大きい手。」

「ピアノ弾くのに良さそうな指。」

そんなこと考えた私は大ばか者。

さすがは紳士。敵は一枚上手であったか。

左手捕らわれて硬直

身体中が熱帯地方になっている。

そんな私にできる唯一の抵抗は

相手の目をしっかり見つめて

ひきつった笑顔で

虚勢をはることだけであった。



果たして今ここで

開戦の火蓋が切ったことを宣誓しよう。

言える言葉はただ一つ



「お手柔らかに、紳士閣下。」





「どうぞ、お手柔らかに」






時は春
桜吹雪の舞う道で
あなたの後ろ姿を眺めては
追いつけと風が
背中を押すように

「青二才の春」




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