あかく染まる十の詩 ten poems that dye in red


【紅葉坂】

風の音が聞こえる
鮮やかな色が舞い踊る

それはまるで花

君が忘れていった
かなしい想い出
いろとりどりに
染まる 世界



君はとうにいったのに
想い出だけが残されて

くれないに

染まる 世界(みち)
ぼくはひとり





黄昏に生きる
レジスタンスの少女たち
シニカルな革命児
チェスで行方を決めるの

辛くなんてないわ
生きる心地するから
世界を変えて
未来を生きる全ての為に



『逢魔時』







「青いものが赤くなるんだっけ?」


君が言った
青い紙をひらひらと
それは遠い思い出


「赤いものは青くなるんだよ」


僕が言った
赤かった唇は青ざめて
僕は青にも赤にもなれなくて
青いドレスがはたはたと


赤く
      赤く


「黒いものは何色になればいい?」


僕が言う
君は答えない



汚れた僕の手は、きっと何色にもなれず



『リトマス紙の実験』





泣き過ぎで
目が真っ赤のナキウサギ
嫌なこと全部涙で流して
泣くのに飽きたら笑いましょうか



『君の足元の水溜り』





[紅玉]

それは罪の色に似ている

君の首もとを飾る

麗しき紅

吸血鬼でも気取って見せよう




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