ビター・ロマンチズム、或いはツインテール the bitter romanticism or twin-tale

昔あるところに、一人の青年がいました。
彼は戦争を繰り返す祖国のために、代々伝わる聖剣を手に立ち上がり、いくつもの戦いを勝利に導きました。
やがて争いの火種を次々に生んでいた、赤い悪魔を倒すため彼は長い旅に出ました。
風の噂で悪魔が倒されたことを人々が知る頃には、とても平和な時代が訪れていました。
しかしその後、英雄の姿を見たものはいません。


昔あるところに、一人の青年がいました。
彼は魔剣と呼ばれる恐ろしい剣の誘惑に耐えきれず、戦争に出ては人を殺し赤い悪魔と恐れられるようになりました。
やがて人を殺せる戦争を起こすことに夢中になった彼は、自らを退治に来た英雄と長い戦いを始めました。
平和な時代が訪れ、風の噂で悪魔が倒されたことを知った人々は皆喜びました。
しかし、彼らが戦ったあとに剣が一本しか残されていないことを、知る人はどこにもいません。



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